大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)4530号 判決

被告人 中島重雄

〔抄 録〕

弁護人の控訴趣意は別紙記載のとおりである。

原判決に証拠として被告人の副検事に対する昭和二十七年五月一日附第一回供述調書中で副検事が読み聞けたことになつている司法警察員の送致書が挙示されていること並びに原審第三回公判調書を見ると前記供述調書の証拠調をした旨の記載はあるが送致書については証拠調をしたとの記載が別になく、その他一件記録を通じて右送致書の証拠調をしたことが明瞭にされていないことは所論のとおりである。従つてこの場合前記供述調書中送致書の記載を引用した部分を証拠にしたとすれば、その当否が問題になるわけであるが、右の供述調書の内容を見ると、被告人は前記送致書を読み聞けられて「そのとおり相違ありません」と供述したのではなく、改めて詳細に事実関係を供述しており、その供述がそのまま調書に記載されているのであるから、その内容に送致書の記載が引用されているともいえず、その点からいえば必ずしも送致書まで証拠調をしかつ判決に証拠として挙示する必要はなかつたものと考えられる。しかも原判決挙示の証拠中右送致書と関係のないものだけを綜合しても原判示事実は優にこれを認定することができるのであるから、送致書を証拠説明中に挙示したことにつき前記のような疑問があり、それが所論のように違法であるにしても、その違法は判決に影響を及ぼすことの明らかなものとは到底いえないから、論旨は理由がないといわなければならない。

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